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★ 大日山 ★
だいにちやま
最終更新日:2023 ⁄ 08 ⁄ 15

■ 基本情報 ■

《住所》滋賀県大津市黒津1丁目3−17

《web》  −
《交通》帝産湖南バス「黒津」停下車。
       徒歩5分程度。


■ レポート ■

大日山について

瀬田川沿いの黒津地区にある標高129メートルの「大日山」は、“滋賀県で一番低い山”と言われてます。その大日山についてここで紹介します。

瀬田川洗堰の北側約500mの、瀬田川の左岸に接する形でそびえる大日山。東斜面には麓から中腹まで住宅街が広がり、瀬田川に接する西斜面は急勾配になっています。

地図で確認すると、山の頂上付近に寺院マーク(卍)が描かれています。「大日堂」と呼ばれるそうですが、正直なところ、あまり歴史や観光の情報でお名前を拝見する機会が少ない印象を受けます。

そこで情報収集のため、現地を訪問してきました。「大日堂」は、どのような寺院なのでしょう。



川の左奥に見える
小さな山が大日山

大日山バックに
御座船が進む

大日山東側に
広がる住宅街


現地で情報得られず

「大日堂」に向かうには、住宅街の狭い道を進む必要があります。道は思ったより勾配があり、徒歩で向かったため息を切らしそうになります。幸いなことに距離は長くなく、無事目的地に到着できました。

入口には「三尾山 大日堂」と記された石標が立っており、その奥に鬱蒼とした森の中へ道が続いています。一瞬立入に躊躇しますが、目的のため先へ進みます。

やがて木々の中に階段が現れ、その先に損傷著しい門とお堂が待ち構えていました。お堂の傍らには鳥居と、やはり痛々しい感じの祠も見えます。

周辺を観察しますが人の気配は無く、歴史や経緯を説明するような看板類も見当たりません。ここでの情報収集は困難と判断し、撤収することにしました。



大日堂入口より
階段の先に門

門の奥に
お堂が見える

お堂の傍らに
鳥居と祠もある


大日山と瀬田川

現地で得られなかった大日山関連の情報ですが、「アクア琵琶」で入手できました。それによると、瀬田川の治水と大いに関連があるとのことです。

現在は急勾配となっている大日山西斜面は、昔は急勾配ではない代わりに瀬田川側へ張していたそうです。そのため川幅が狭まり流れが阻害され、大雨時に琵琶湖の水面が上昇し水害に至りました。

奈良時代に治水などの社会事業活動を行っていた僧侶の行基(ぎょうき)が、この“張り出し部分”切り取りを提案しましたが、下流住民の反対により断念に至ったそうです。後人が大日山を削らないよう、大日如来を山頂に祀ったと伝わっています。

その“張り出し部”は結局、南郷洗堰の設置と同じ頃に削除されています。洗堰設置の効果もあり、琵琶湖の水害発生も以前より抑えられることになったといわれてます。



山の西側は急勾配
(国土Web引用)

大日山切取説明
(アクア琵琶資料参照)

切り取り前後の
大日山イメージ


上流・下流の話と大日堂

アクア琵琶の資料では前出通り、「張り出し部分切り取りが下流住民の反対により断念に至った」「大日山を削らないよう大日如来を祀った」となっています。その張り出し部分が切り取られ願いが断たれた現状は、現地で見てきた大日堂の現状に重なるよう感じました。

一方で洗堰設置・運用後も、大雨時の洗堰「全閉」「全開」運用を巡り、上流と下流の府県で意見の相違がある認識です。

その状況を、今も大日如来様が静かにご覧になっている…大日堂は、そんな場所なのかもしれません。


参考先

水のめぐみ館 アクア琵琶

 

■他の紹介ポイントを見る
 →瀬田川周辺MAPを参照する



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