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★ 南郷洗堰 ★
なんごうあらいぜき
最終更新日:2020 ⁄ 05 ⁄ 30
(駐車場情報を追記)

■ 基本情報 ■

《住所》滋賀県大津市黒津4丁目

《web》水のめぐみ館「アクア琵琶」
《交通》京阪バス「南郷洗堰」停下車。
    瀬田川洗堰経由で徒歩10分。
《駐車場》あり(下記の地図等を参照)


駐車場マップ

駐車場入口

駐車場への案内


■ レポート ■

南郷洗堰について

バス停の名称になっていることもあり、現存の『瀬田川洗堰』と混同されている方も居られるかもしれません。

『南郷洗堰』は現・瀬田川洗堰の先代に当たり、明治38年(1905年)に完成されました。以降、昭和36年に瀬田川洗堰が完成するまでの56年間、琵琶湖の水位維持および淀川系下流流域の水害発生抑制の役割を果たしてきました。

現在は瀬田川の両岸部分に、治水を伝える史跡として一部が当時のまま残されています。更に2002年は歴史的土木価値を認められ、(社)土木学会にて「土木遺産」と認定されています。

その“残された一部”の袂にあるのが、先に触れた「南郷洗堰」名称のバス停となります。



洗堰現状と
現役時イメージ

南郷洗堰
現役時写真

平成14年に
土木遺産認定を受けた


洗堰設置のきっかけとなった洪水

洗堰がまだ無かった明治29年(1896年)9月、大雨により琵琶湖周辺の多くが浸水する事態となりました。当時の記録によると、彦根にて1000mm(10日間累計)を越える降水があり、琵琶湖水位が基準値に対し3.76mまで上昇したそうです。

対策として治水事業による瀬田川の流水量増加について検討されましたが、流水量が増えることでの下流部(京都・大阪)の大水害発生が懸念されました。

懸念解消のため水量調整を行えるよう洗堰を設けることになり、明治33年(1900年)より事業が開始されました。事業には、「大日山」せり出し部切り取りも含まれていました。



南郷洗堰のゲート開閉

現在の瀬田川洗堰は遠隔操作による電動での放水ゲート開閉を行っていますが、南郷洗堰は人力での開閉を行ってました。全32門あったゲート個々へ8寸角・長さ14尺角材を抜き入れする方法だったため、全開に24時間、全閉に48時間を要していたそうです。

全閉が角材をゲートに落とすだけで時間を要さないようにも思えますが、流水より角材に浮力が発生し、角材固定まで時間を要しそうです。大雨の中、約2日をかけての全閉作業は、危険を冒しながらの大変なものだったと思われます。

ゲート開閉作業イメージについては、傍にある施設「アクア琵琶」にて、模型展示により見ることができます。



水せき止める際に
使用した角材

洗堰放水ゲート
せき止め前後

ゲートせき止め
作業様子展示


現在の南郷洗堰

現在は瀬田川洗堰に役を譲り川の両岸に一部残し姿を消した南郷洗堰ですが、その東側(黒津側)にある国土交通省の施設「水のめぐみ館 アクア琵琶」において、本ページや「瀬田川洗堰」ページで記載した内容が様々な資料等で展示してあります。

また同施設敷地内には、旧監視場建物も残されています。

また南郷洗堰へは普段は立ち入れませんが、月に1度はオープンカフェが開かれており、その時は洗堰上へ立ち入ることができます。また「アクア琵琶」イベントでの洗堰立ち入りも過去にありました。機会を見つけて、1世紀を越える土木遺産に触れられるのも良いのではと思います。



今も残る
旧監視場建物

月イチでオープン
カフェ開いてます

洗堰とアクア琵琶
イベントで賑わう


参照先

琵琶湖河川事務所
水のめぐみ館 アクア琵琶
 

■ 他の紹介ポイントを見る ■
 →瀬田川周辺MAPを参照する




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