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筆者が1999年前後に住んでいた京都府長岡京市。同市調子(ちょうし)地区に、今回対象とする公園があった。公園といっても遊具がある児童公園とは違い、100m程の散歩道と両側に植生エリアがあるだけだ。
立っていたのは、国道の「距離標」である。国道の道路脇に設置され、国道番号と起点からの距離が記されているものである。目にする方も多いだろう。ここでは“国道478号、起点より95km”と記されていた。
公園にあった看板には『京都第二外環状道路』建設について記され、予定景観図が掲載されていた。そう、この公園は京都第二外環状道路の建設予定地に造られた、期間限定のものであったのだ。
その後2008年に京都第二外環状道路(以下「にそと」)の建設が始まり、公園も計画通りその姿を変えられた。ここでは公園のビフォーアフターを画像を掲載の上で紹介したい。まずは1999年の画像から。
2011年には工事のため、当該箇所も壁で覆われた。公園のアーチも撤去されいる。予定ではここを「にそと」高架道路が通るわけだが、この時点で既に中央左端に橋桁工事の一部が見え、工事が進んでいることがわかる。
2016年、ようやく現地へ横紋することができた。予測はしていたが、依然と大きく風景が変わっていた。従来からある建物や道路等を参考に、公園時代に撮影した方向やエリアを推測して写真撮影を行った。
ここでは、現在より遡る形で航空写真にて変化の様子を確認する。まずは現在。画像中央に太く「にそと」が横切り、阪急京都線との交差部分には、西山天王山駅が見える。次に「公園国道」があった頃を見てみよう。
緩いS字を描く「公園国道」が確認できる。「にそと」は1989年に計画決定されたということから、公園として整備された時期は古くない。では、その前は何があったのか。もう少し前(1995年頃)へ遡ってみよう。
そこにあったのは、「プール」であった。筆者は行ったことはないが、ウォータースライダーを見たような記憶がある。「にそと」建設地化に伴いプールが公園となり、ついに「にそと」開通に至ったというわけだ。
まず、公園時代の看板に描かれていた「にそと」イメージ図を見よう。河川に沿って高架道路が通り、「道・緑・水が織りなす魅力的な親水空間づくり」と説明されている。実際風景との差異を見に、想定場所へ向かった。
実際の風景を見ると、道路はイメージ通りの造られ景観に溶け込んでいるよう感じた。「魅力的」かどうかは別として、道路建設後も河川を中心に自然が保てたということは、筆者は良かったと思っている。