みちびき
★ 京都第二外環状道路(京都府) ★
−道 Before ⁄ After−
文面作成:2019 ⁄ 09 ⁄ 14
(最終更新:2019 ⁄ 11 ⁄ 23)


「道 Before ⁄ After」について

ここでは、新道開通等のイベントによる道たちの変化具合を画像比較通じレポートしたものである。
発展や衰退など、彼らがどう変わっていったのかを目に留めて欲しい。


「京都第二外環状道路」の場所



レポートリスト

 
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■そこには公園国道があった

筆者が1999年前後に住んでいた京都府長岡京市。同市調子(ちょうし)地区に、今回対象とする公園があった。公園といっても遊具がある児童公園とは違い、100m程の散歩道と両側に植生エリアがあるだけだ。

その散歩道脇に、公園に似つかわしくないものが立っていた。それは、特に道路好きであれば一目瞭然のものである。当時はネット上で道路好きが「酷道」とか盛り上がり始めた頃で、筆者も自身のHPにこの公園について掲載した時期もあった。


立っていたのは、国道の「距離標」である。国道の道路脇に設置され、国道番号と起点からの距離が記されているものである。目にする方も多いだろう。ここでは“国道478号、起点より95km”と記されていた。

この「距離標」が立っていた公園ということで、前述のHP掲載時には「公園国道」と命名して紹介した。道好き人間において名が通っていた青森の「階段国道」、福島の「登山国道」の命名法をパクったのだ(笑)。今回の紹介においても、「公園国道」の名前を引き継ぎ使用している


公園にあった看板には『京都第二外環状道路』建設について記され、予定景観図が掲載されていた。そう、この公園は京都第二外環状道路の建設予定地に造られた、期間限定のものであったのだ。

「国道478号」は京都第二外環状道路に付与された番号で、起点は天橋立のある京都府宮津市。ただwikipediaによると、同国道の総延長距離は約84kmであるようだ。距離標に95kmと記されている理由は把握できていない。


■国道は高架の自動車専用道となった

その後2008年に京都第二外環状道路(以下「にそと」)の建設が始まり、公園も計画通りその姿を変えられた。ここでは公園のビフォーアフターを画像を掲載の上で紹介したい。まずは1999年の画像から。

画像を見比べる際は、1999年画像の“中央に見える3軒家”および2011年画像の“中央右に見える鉄道架線鉄柱”を参考にしてほしい。2016年の画像で両方写っている。これで3画像がほぼ同じ方向・範囲だとご理解いただけるだろう。


2011年には工事のため、当該箇所も壁で覆われた。公園のアーチも撤去されいる。予定ではここを「にそと」高架道路が通るわけだが、この時点で既に中央左端に橋桁工事の一部が見え、工事が進んでいることがわかる。

この画像を撮った後、個人的な事情より長岡京に立ち寄る機会がほとんどなくなってしまった。2013年に「にそと」が開通したが、現地訪問まで時間を要してしまった。


2016年、ようやく現地へ横紋することができた。予測はしていたが、依然と大きく風景が変わっていた。従来からある建物や道路等を参考に、公園時代に撮影した方向やエリアを推測して写真撮影を行った。

既出の通り「3軒家」「鉄柱」より同じ場所だとわかるのだが、こうも変わってしまったのは高架下に鉄道駅(阪急電鉄・西山天王山駅)が開業した影響も大きい。鉄道と高速バスの乗り換えも考慮されているとのことで、新しい街づくりがされていくのだろう。


■そこは元々公園ではなかった

ここでは、現在より遡る形で航空写真にて変化の様子を確認する。まずは現在。画像中央に太く「にそと」が横切り、阪急京都線との交差部分には、西山天王山駅が見える。次に「公園国道」があった頃を見てみよう。

緩いS字を描く「公園国道」が確認できる。「にそと」は1989年に計画決定されたということから、公園として整備された時期は古くない。では、その前は何があったのか。もう少し前(1995年頃)へ遡ってみよう。

そこにあったのは、「プール」であった。筆者は行ったことはないが、ウォータースライダーを見たような記憶がある。「にそと」建設地化に伴いプールが公園となり、ついに「にそと」開通に至ったというわけだ。

なお、このプールは「プラザ ブルーレイク」といい、地元の飲食店経営の方が1973年に開園されたという。50mのスライダーや流水プールがあり、市民の憩いの場にもなってたそうだが、「にそと」予定地となったことから1993年に閉園したという(筆者が長岡京に移ったのは1994年)。道路建設における利便性が優先された形だが、憩いの場が失われたのは周辺地域の方にとっては残念なことだったのかもしれない。


■予定の景観通りとなったのか

当地にあった公園の看板に、「にそと」建設のイメージ図が描かれていた…というのは既出の通りである。そのイメージ通りとなっているのだろうか。2016年訪問時は該当場所まで足を延ばせなかったが、2019年9月に訪問する機会を得たので、イメージと実際の風景を比較してみよう。

まず、公園時代の看板に描かれていた「にそと」イメージ図を見よう。河川に沿って高架道路が通り、「道・緑・水が織りなす魅力的な親水空間づくり」と説明されている。実際風景との差異を見に、想定場所へ向かった。

実際の風景を見ると、道路はイメージ通りの造られ景観に溶け込んでいるよう感じた。「魅力的」かどうかは別として、道路建設後も河川を中心に自然が保てたということは、筆者は良かったと思っている。

ここまで見てきた通り、プールが公園になり、公園の看板に掲げられた将来の重要道路がほぼ景観通り開通に至った。今は何気なく通る同区間だが、このような変遷があったことをここに記しておきたい。



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