
レポートリスト
いきなり「甲子(かし)道路」の名が登場する。同道路は福島県を東西に走る国道289号のうち、甲子山(標高1549m)を越える区間(同県下郷町・西郷村間)を指している。何故この道路を紹介するのか?
まずは、訪問当日の経緯から。個人的な話で恐縮だが、筆者は甲子道路開通の頃は新潟に住んでいた。新潟と福島は隣り合っていることもあり、上記理由より開通1ヶ月後に現地へ足を延ばしたのだった。
「登山国道」は、“国道標識が立っている登山道”を指している。一般論としては“車が通らない山中の登山道に、なぜ標識が…”となるのだが、そのイレギュラーさが道路ファンの心を奪った(笑)のである。
レポートは2004年訪問時をベースに、2008年の状況をお伝えする形で進めたい。旧国道より甲子温泉「大黒屋」前を通らせていただき、阿武隈川の川面へ向け急坂を下る。ここまでは車も走れる道路状況である。
その先に、阿武隈川を渡る橋がある。、歩行者もしくは軽車両しか通れなさそうな小さな橋だが、その袂に国道標識が立っている。現物見ると改めて感動する一方、「なぜここに?」という気持ちにもなる。
橋を渡った後は、阿武隈川支流沿いを歩む。道路状況も「登山道化」し、車両通行は完全に無理(オフロードバイクなら可?)。登山者気分に浸り数分歩くと、もうひとつの“ポイント”に到達する。
登山道ではないが、甲子温泉までの旧国道上には「傾斜20%」標識があり、こちらも道路ファンの心をつかんでいた。こちらはどうなったのか。少し距離があるが、せっかくなので確認に向かった。