みちびき
★ 鐘ヶ坂トンネル(兵庫県) ★
−親子孫トンネル−
文面作成:2018 ⁄ 8 ⁄ 25
(最終更新:2019 ⁄ 05 ⁄ 19)


「親子孫トンネル」について

文字通り「親子孫」ということで、同一峠で3代のトンネルが健在な場所を紹介する。

土木技術の進化と交通量増加より峠には新たなトンネルが建設され、先代のトンネルは廃されることが多い。そのため複数代のトンネルが廃されず残るのは希少と考え、お題として取り上げた。


「鐘ヶ坂トンネル」の場所



レポートリスト

 
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■鐘ヶ坂トンネル

大阪市から兵庫県丹波市、京都府福知山市を経由して日本海側の京都府宮津市を結んでいる国道176号。その途中、丹波市と丹波篠山市との間にあるのが、今回紹介する鐘ヶ坂トンネルである。『鐘ヶ坂峠』を越える。

同区間は昔より近畿の日本海側と大阪を結ぶルートとなっており、舞鶴若狭自動車道やJR福知山線も国道と並走している。そのため、国道も比較的交通量が多い。


この鐘ヶ坂トンネルが「親子孫」というわけだが、実際に「平成」「昭和」「明治」の各時代に開通した計3つのトンネルが現存している。地図で示すと左に掲載した通りであり、拡大して参照してほしい。

それぞれの開通年は
 ・明治のトンネル:1883年(明治16年)
 ・昭和のトンネル:1967年(昭和42年)
 ・平成のトンネル:2005年(平成17年)

となっている。


■平成のトンネル

まずは、現役である平成のトンネル「新鐘ヶ坂トンネル」を走行する。丹波篠山側から走行しトンネル口が近づくと、国道は徐々に周辺の土地に対し高度を落としていく。これは『鐘ヶ坂峠』が片峠とよばれる構造のためだ。

実際に地図で峠の両側標高を確認すると、
 ・丹波篠山市側:約250m
 ・丹波市側:約200m
と読み取れ、片峠だと納得できる。
歩道付きの広いトンネルを緩やかに下りながら、1012m走行すると丹波市側のトンネル出口に至った。


■昭和のトンネル

このルートは筆者も昔よりドライブで愛用しており、昭和のトンネル『鐘ヶ坂トンネル』は記憶に印象強く残っている。丹波篠山市側が急カーブとなっており、「気の抜けないトンネル」というものである。

また丹波市側もトンネルに至る坂道上にヘアピンカーブがあり、決して道幅も広くないことも相まって、平成のトンネルに替えられたのはやむを得ないと個人的に感じている。平成のトンネル開通直後は本トンネル通過できたが、今回訪問時は入り口を金網でふさがれていた


■明治のトンネル

昭和のトンネル口(丹波市側)そばに、「明治のトンネル」の案内板が設置されていた。ただ案内板が指し示す方向には、残念ながら道路が金網でふさがれ通行不可となっていた。丹波篠山市側も、同様にブロックされていた。

平成のトンネル開通直後には、金網の設置はなく明治のトンネルまで訪問できた。その時の画像で、明治のトンネル紹介に代えたい。昭和のトンネル丹波篠山市側より、100mほど旧道を歩いた。


程なく、レンガで組まれた明治のトンネル「鐘ヶ坂隧道」が目に入る。全長は約260m。中を通りたかったが隧道入口にロープが張られており、それを忖度して(笑)トンネル内部の写真撮影のみに留め隧道を後にした。

なお、峠にある「鐘ヶ坂公園」の“さくらまつり”で、明治と昭和のトンネルが解放されるという。筆者も機会があれば再訪したいと思う。



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