みちびき
★ 名神高速の着工地訪問(京都府) ★
−ヒストリート(歴史通り)−
文面作成:2023 ⁄ 07 ⁄ 15
(最終更新:2023 ⁄ 07 ⁄ 15)


「ヒストリート(歴史通り)」について

ヒストリートは“ヒストリー(歴史)”と“ストリート(通り)”を合わせた造語であり、ここでは歴史にこじつけて絡んだ道たちを紹介する。
あくまでも道の紹介であるため、歴史的な深堀までは行わないため悪しからず。


「名神高速の着工地点」の場所



レポートリスト

 
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■名神高速・起工の地

左の画像は京都市山科区の、名神高速に沿った側道で撮影したものです。左側のフェンス奥、盛土となる部分が名神高速になります。この日は京都駅近辺での所要の後、電車と徒歩でここまでやって来ました。

そこまでの道中にもいろいろネタがあって『ふらろぐ』にも投稿していますが、これは本文末でまとめてリンクを貼っておきます。で、なぜ“ここにやって来たのか”とうことになります。


その側道を進むと、名神高速の盛土の法面(のりめん)が一部だけコンクリートの垂直壁面になっていました。壁面には何やら看板が設置され、足元には花壇も整備され美しい花が咲いています。ここはいったい。

…なんて、あたかも初めて目にして困惑しているような書き方をしていますが、ここが目的の場所「名神高速・起工の地」となります。文字通り、名神高速の起工がここで行われたという場所となります。


■1963年7月16日

さて、全国的にも特にレジャーシーズンでの渋滞情報で耳にする『名神高速』ですが、簡単におさらいをしておきましょう。多くの方がご存知の通り、名(名古屋)と神(神戸)を結ぶ自動車道となります。

厳密には愛知県小牧市と兵庫県西宮市を結んでおり、名古屋のインターがあるのは東名高速であったり、神戸市には中国道か阪神高速に乗り継ぎが必要だったりと、「名」「神」が単独で繋げられてないというツッコミ処もあります(笑)。


名神高速道路の開通は、本稿リリース日(2023年7月15日)のちょうど60年前にあたる1963年7月16日になります。様々なリニューアル工事を受けつつ、日本の大動脈を担いながら還暦を迎えられたという事です。

開通は小牧〜西宮の一括開通ではなく、この時に開通したのは滋賀県栗東(りっとう)市〜兵庫県尼崎市の約70kmでした。その辺りを少し掘り下げるため、「起工の地」に掲げられた説明看板に目を通しましょう。


工事は約6年要したとのことで、条件は大きく異なるものの現在のもの(概ね7〜10年)と大差ないことから、当時関係された方々のご努力を感じます。今回話題にする着工の日は、1958年10月19日になります。

京都山科で着工の3年後には山科工区に当たる約4kmが工事完了し、約130日にわたる国産自動車による高速走行試験が行われたという事です。その結果がその後の道路設計や車両性能向上などに活かされたのは言うまでもありません。

60年以上前に、この盛土の上でそのような試験が行われたのだと、一人思いを馳せます。


■山科駅跡でもある

実は説明看板での名神高速起工に関連する記載は看板の半分となっていて、もう半分には『旧 東海道線山科駅跡』についての説明が記されています。1880年から1921年まで、この地に山科駅がありました。

このあたりの話は、当方の「ふらろぐ」でもちょくちょく触れているので、改めての記載は割愛します(文末にリンクあり)。場所は異なりますが、当時の遺構が残っているのも嬉しく思います。


当然ながら、ここに駅の遺構は残っていません。現在の山科駅はここから約3km離れていますが、こちらの方が山科の中心街に近く(区役所から1km弱)なります。それぞれの間を、今は地下鉄が結んでいます。

駅の跡地が高速道の起工地に転用され、その両方を記念した場所がここ京都山科に「ひっそりと(?)」佇んでます。「道」と「鉄」の歴史をハイブリッドで感じられる当地へ、マニアックな訪問をされてはいかがでしょうか。


■名神高速上の風景

筆者が訪問した時のレポートは以上になりますが、この起工の地の上方において、名神高速の路肩が少し膨らんでいるように感じ気になってます(本ページ最初の画像を参照)。高速側に何かあるのでしょうか。

あいにく車がなかったため高速へ向かえず、代わりにGoogleストリートビューで確認することにしました。


そこには何やら跨道橋みたいなものが見えますが、両端がコンクリートの壁で昇降する階段等も見当たらず、単なる電光表示板設置用のブリッジなのか、正解は分かっておらず調査継続となってます。

■これからの名神高速

現在は別ルートで新名神高速が建設中ですが、現時点で全通までまだ4年ほど要するとのこと。名神高速は還暦を迎えるものの、まだまだ日本の大動脈として活躍いただくことになるようです。

−当サイト内、関連ページリンク−



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