
レポートリスト
筆者は以前より「流れ橋」の名を耳にしているが、近くの府道を車で通ることはあっても「流れ橋」へ立ち寄る機会はなかった。車で行きにくい事と、近場なため“いつでも行ける”と思っていたからだ。
先に「車で行きにくい」と記したが、流れ橋自体の自動車通行が困難であることと共に、橋に接続する堤防も自転車道(京奈和自転車道)となっているためだ。自動車による橋近辺までの乗り入れが難しいのだ。
市街地各所を巡りつつ歩くこと約5km、新木津川大橋を越えた先に「流れ橋」が見えてきた。思ったより通行者が多く見えるのは、橋の知名度と共に訪問当日の気候も良かったことが理由だろう。
その休憩施設には、ありがたいことに流れ橋の説明碑が設置されていた。せっかくなので説明碑で流れ橋のつくりを把握し、橋の袂で実際のつくりと照合することにより橋の構造を理解することにしよう。
説明碑内容を把握し、休憩施設を出て流れ橋へ向かった。こちら(八幡)側は河川敷が広いうえ邪魔になりそうな雑草もなく、橋の間際や下側から橋の観察をすることができる。まずは橋桁から見ていこう。
そして説明碑に記されていた「橋桁と橋脚を繋げるワイヤ」を確認するため、河原に降り立ち橋脚の近くへ向かった。どのような形で、どのくらいの長さのワイヤで繋がっているのだろうか。
確認の最後は、橋桁と橋脚の固定についてである。通常の橋は先に記した通り金具やボルト・ナット等で固定されているが、流れ橋は“橋桁を置くだけ”とのことで、実際どうなっているのかを確認する。
構造確認を終え、橋を渡って先を進むことにした。橋を離れるのは名残惜しいが、当方も駅を出てから2時間半以上立ちっぱなしとなっており、早く先へ進み休憩を入れたい心が今は勝っている。
橋の袂にて、筆者より年上と思われる男性より声がかかった。彼曰く、流れ橋下の河川敷で時代劇ロケが行われることがあるとのこと。ロケの話は既知であるが、しばしお話にお付き合いさせて頂くことにした。
注意看板に従い橋の真ん中を歩こうとしたが、先のロケ話もあり足元に注意しつつ河原が見える端のほうを歩いた。撮影風景を想像するものの、残念ながら番組を見てないので該当シーンが思い浮かばない。
途中でも触れたが、現在の橋は増水時も橋桁が流失せぬよう頑丈な造りとしている。一方で今回紹介した流れ橋は、橋桁が流されることを前提に、速やかな復旧ができる方法を採っていることになる。